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金沢で暮らそう
 金沢はこんな街

伝統の食を守る

加賀野菜抜きに金沢の食文化は語れない

 
在住者に聞く Interview of Residents
金沢市玉川町在住
近江町市場の青果店「小畑商店」経営、加賀野菜保存懇話会メンバー。加賀野菜の栽培法や調理法に詳しい“加賀野菜博士”。生まれも育ちも金沢という、生粋の金沢人。

 歴史や意味を背負った加賀の名

 「京都に京野菜があるように、金沢にも歴史ある金沢の野菜がある。これを守っていこう」。松下ガーデン(種苗専門店)さんが呼びかけて、私らが加賀野菜保存懇話会を立ち上げたのが平成3年。30年ほど前は、八百屋には地元の野菜しかなく、金沢の野菜を意識することもなかった。ところが、高速道路ができて、県外品がたんと入ってくる。見た目や日持ちがよくないという野菜は、味が良くても消えていく。「これは金沢の野菜もなんとかせんなん。」ということになったわけです。
 で、なぜ加賀野菜か、です。
 ここは古くは加賀の国で、加賀平野、加賀百万石、加賀藩、藩政のものはなんでも加賀。加賀料理のはす蒸しに使う小坂のレンコン、あれは、前田綱紀公が参勤交代の帰りに岐阜から持ってきた。そういう歴史がある野菜やさかい、加賀野菜なんや、ということです。
 加賀料理も同じ。昔は、普通のおかずだったものや祝い事に食べていたものを、料亭が格を上げ、加賀の名前を付けたものです。

 他所との差異、こだわりが文化

 加賀野菜はいま15品目ありますが、伝統野菜というのは、3つの条件で決まります。まず年代を区切る。加賀野菜は、昭和20年以前から作られているものです。ふたつめは、その地域にしかないこと。みっつめは、他所の地域にあっても、他所にはない特徴があること。たとえば、「はす蒸しは、なぜ小坂のレンコンでないとだめなんや。」というと、小坂のものはデンプン質が多くつなぎが要らない。他所のレンコンでは、はす蒸しはできない。これが、他所にはない特徴ということです。
 このところ、農水省が、野菜に産地表示をするように言ってきてますが、うちでは、金沢の山菜には「地物」と付けています。昔から、金沢のものは地物、外のものは「えんじょもん」という。これも金沢の食文化、昔からの呼び名は変えられない。八百屋のプライドや。
 うちは近江町で100年、私で3代目です。この市場のいいところは、いろんな店のあること。値段の安い店高い店、同じ品でも理由があって値段がちがう。ホウレンソウ一つとっても、丈の短いもの長いもの、束の太いもの細いもの。品数が豊富です。それに、売り子はほとんどがプロ。食べ方でも料理法でも説明できる。そういう対面販売も、近江町ならではのところで、これは、しっかりと残していかないと、と思ってます。


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